免疫療法臨床研究会

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ごあいさつ

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ごあいさつ

理事長ご挨拶

一般社団法人
免疫療法臨床研究会

代表理事 岡本 美孝

2014年10月にスギ舌下液が、2015年11月、12月には2種類のダニ舌下錠が市販開始となり、国内でも舌下免疫療法が実施可能となりました。舌下免疫療法は新たな概念に基づいた治療であり、実際の処方に際しては厚生労働省からの通達により専門とする4学会(日本アレルギー学会、日本耳鼻咽喉科学会、日本鼻科学会、日本小児アレルギー学会)の講習会、あるいはそのエッセンスを取り込んだe-learningを受講することが必要となっています。
 本法人は、混乱を防ぐために4学会でそれぞれに行われていた受講者の管理の1元化を図ること、免疫療法実施者に対する新規の情報提供を行うこと、さらに更新される免疫療法の情報・知見も取り込んだ基礎講習会を企画することを目的に設立された非営利一般社団法人です。2016年12月に竹中洋先生を代表理事として設立されましたが、竹中先生の京都府立医大学長就任に伴って、2017年4月から急遽代表理事を務めることになりました。
 アレルギー性鼻炎も含め、アレルギー疾患の患者数は依然として増加していると考えられていますが、アレルゲン免疫療法はアレルギー疾患の自然経過を改善させうる唯一の治療です。従来の皮下注射法に加えて、安全性に優れる舌下免疫療法の登場は患者と医療者にとっても福音となりますが、効果の持続期間・寛解率、副作用の内容・頻度の詳細、費用対効果、作用機序と治療効果を示すバイオマーカー、効果予測因子の解明などの課題も多くあります。また、これらの解決に向けた取り組みも行われています。実際の治療では従来の薬物療法と有効に組み合わせていくことが必要ですし、今後は新規のアレルゲンエキスの登場も考えられます。このような新しい情報を、アカデミアからアレルギー性鼻炎治療に携わる医師に継続して発信していくことは生涯教育に、さらに専門医の育成にも必要なことは言うまでもありません。本法人に求められている事業の一つです。
 また、本法人は耳鼻咽喉科の学会に、内科・小児科の参加が多いアレルギー学会も加わったアレルギー性鼻炎の免疫療法に携わる学会を背景にした横断的な組織です。学会においては諸外国では承認されている舌下免疫療法の喘息への適応、あるいは広くアレルギー疾患への早期介入への活用に向けた議論は行われていますが、実際の適応承認に向けてはその方向性と、承認に向けたロードマップの作成、社会的な要望の盛り上がり、さらにメーカーとの連携を形成して開発を目指していくことが不可欠です。喘息とアレルギー性鼻炎が高い合併率を示すことは良く知られていますが、本法人が連携することの意義は高いと考えられます。